徒然

日々思ったことをつらつらと書いていこうと思います

刑法と刑罰(1)〜刑法って何?刑罰って何?〜

1. はじめに  ショッキングな事件が起こると、犯罪への憎悪、犯罪者への憎悪が湧き上がるとともに、その処遇にも注目されます。刑法は個人の人権とも深く関わり、複雑になっています。日々目にするニュースは犯罪関係が多いため、法律=刑法という関係を持っている人が多いほど、人々の注目を集めるものだともいえます。
   私は、学生時代に刑法ゼミにも所属し、2年半ほど刑法を勉強するという謎な学生生活を送っていました。その経験を通じて、私の考えと刑法の一般的な考え方を紹介していきたいと思います。

 


2. 刑法ってなに?
  日本の刑法典は、犯罪と刑罰が明記された法律です。法律に何が犯罪になるのか、犯罪となった場合にどのような刑罰が科されるのかを明記しなければならないという罪刑法定主義の考えから、一般的な犯罪について書かれています。また、刑罰を科す時のルール一般も定められています。例えば、どういう人に対して刑罰を科すのかということです。心神耗弱や心神喪失の者に刑罰を科さないと書かれていたりします。また、犯罪行為にはなるが、犯罪とされない例外も定められています。正当防衛や緊急避難などはこれに当てはまります。
    現在、“犯罪”として“刑罰”が科されるものは、刑法典以外にも多く定められています。刑法典の前半にはすでに述べた犯罪とする、刑罰を科す際の全般的なルールが定められています(総則)。この総則は、刑罰が科せられる犯罪全てに当てはまります。


3. 刑罰って何?
    刑法を体系的に習う時、刑罰って何というものにぶつかります。この問いについて、私は、刑法の目的が何かという部分とも深く関わると考えています。
   かつて、「目には目を歯には歯を」という言葉に出るように、応報刑というものが一般的でした。そのため、犯罪を行なったものに対して、市民の正義感に任させて罰を加えようというものです。しかし、現代ではこの応報刑のみに縛る考えは一般的ではありません。応報刑と一般予防、特別予防という考えがあります。一般予防とは、一般市民が犯罪に陥らないようにする予防効果です。すなわち、刑罰という見せしめをする事で、「あんな刑罰を科されるのだったら、犯罪はしないでおこう」という方向に導くものです。特別予防とは、犯罪者を一般社会に戻すための教育を行うというものです。刑務所見学に行くと、刑務官の方はよく犯罪者の矯正という言葉をよく口にします。これは、一般社会に戻り、犯罪を犯さないようにする教育を意味しています。

 


4. おわりに
  とりあえず、ざっくりと説明しました。深く説明しだすといくらでも深く説明できるので、本当にざっくり説明しました。これ以降、これら知識を前提に、精神障害犯罪者、死刑についてなどを紹介していきたいと思います。
   また、疑問があれば、コメントをください。できる限り、返信したいと思います。

 


<参考文献>
山口厚刑法総論
大谷實『刑法総論講義』
十河太郎他『基本刑法Ⅰ 総論』